虫歯や親知らずにより歯を抜いた直後に加熱式たばこを吸っても大丈夫なのでしょうか?
実は、口の中の手術をした直後に喫煙することは避けた方がよいです。
この記事では、抜歯後すぐに喫煙しない方がよい理由を紹介しています。
抜歯後はいつからたばこを吸っても良いのか?
親知らずや虫歯によって歯を抜いた後は、歯科医から「2-3日は喫煙を控えるように」と言われることが多く、理想は合併症を引き起こしにくくなる1週間は控えた方がよいです。
実は抜歯後すぐにたばこを吸うことで、手術後の口内の回復期間が長くなってしまう可能性が高いのです。
抜歯後すぐにたばこを吸わない方が良い理由
喫煙者にとって、いきなり2-3日禁煙をするように言われてもなかなか実行するのは難しいところですよね。
ですが、抜歯後すぐの喫煙は次のようなリスクがあります。
- 傷の治りが遅くなる
- 細菌感染のリスクが高まる
- 薬の作用が弱くなる
- ドライソケット(歯槽骨炎)を引き起こす
傷の治りが遅くなる
抜歯後は歯茎や顎の骨に怪我を負った状態となります。
怪我の回復のためには傷口に血液を供給する必要がありますが、喫煙により接種するニコチンには血管の収縮作用があり、傷口への血液の供給が遅くなります。
その結果血餅(けっぺい)が作られるのが送れ、傷の治りが遅くなってしまいます。
細菌感染のリスクが高まる
血液供給の滞りによって血餅が作られるのが遅れることで、口内では傷口が開いたまま放置される期間が長くなります。
また、唾液の分泌量が減ることで、唾液に含まれる抗菌作用や殺菌作用が低下し、傷口から細菌感染してしまうリスクが高まります。
薬の作用が弱くなる
抜歯後には化膿止めた痛み止めが処方されますが、これらもニコチンによる血液供給の滞りによって効果が薄れてしまう可能性があります。
ニコチンによる毛細血管の収縮は怪我に対してデメリットばかりですね。
合併症のドライソケット(歯槽骨炎)を引き起こす
上記の症状が進行して起こりやすいのが、激痛を伴う「ドライソケット(歯槽骨炎)」と呼ばれる合併症です。
ドライソケットとは、敏感な骨や神経を守る役目のある血餅が作られないことで抜歯により空いた穴が塞がらず、さらに細菌感染により神経を傷つけ、激痛を伴う症状です。
抜歯後は通常2-3日で痛みが引いてきますが、ドライソケットになると数週間痛みが長引くことがあります。
さらに細菌がリンパ節や骨膜など広範囲に広がることで、歯性感染症となる可能性があります。
怖いので、抜歯後は血餅が完全に定着するまでの1週間程度は、可能な限り喫煙を控えた方がよいですね。
余談ですが、手術後に限らず、喫煙により口の中に怪我をしてしまうこともありますよね。
ガーゼや縫合糸を使った抜歯後であれば喫煙して大丈夫?
抜歯部分がガーゼで覆われていたり、縫合されていたとしても、喫煙することによるリスクは変わりません。
ガーゼや縫合によって血餅が剥がれるリスクは多少なりとも減らせるかもしれませんが、そもそも血液供給の遅れによって血餅が作られるまでの時間がかかり、ドライソケットになる可能性はあります。
また、たばこの熱や蒸気に含まれる有害な物質から傷口を守る作用も弱まっているので、炎症を起こしてしまう危険性もあります。
ニコチンパッチや無煙たばこもだめですか?
ニコチンパッチやVELOなどの無煙たばこも控えておく方が賢明です。
ニコチンの摂取により毛細血管が縮小し、傷口への血液の供給が遅れることが問題ですので、たばこに限らずニコチン製品を摂取することは控えておいたほうが良いでしょう。
抜歯後に喫煙を再開する場合は
抜歯後に喫煙を再開する場合は、以下の点に注意しながら再開することでリスクを減らせる可能性があります。
ドライソケットになる可能性の高い、術後1週間以内は特に注意してみてください。
- ゆっくり吸う
- 湿らせたガーゼを使う
- 口内を清潔に保つ
- マウスピースを清潔に保つ
- 痛みや腫れがあればすぐに中止する
- 水分補給をする
ゆっくり吸う
喫煙による吸引や熱によって血餅が剥がれるのを防ぐため、ゆっくりと短く吸い始めましょう。
傷口に異変がないかを確認しながら、徐々に吸い込む量を増やしていくようにしましょう。(※もちろん完治してから吸うに越したことがはありません。)
湿らせたガーゼを使う
ガーゼを小さく切って湿らせ、抜歯部分にあてがいながら吸うことで、喫煙による吸引と熱から保護できる可能性が高まります。
口内を清潔に保つ
傷口からの細菌感染を防ぐため、マウスウォッシュなどで口内を清潔に保ちましょう。
ただし、激しくすすぎすぎると血餅がとれてしまう可能性がありますのでゆっくり丁寧にすすぎましょう。
マウスピースを清潔に保つ
べイプなどでマウスピースを装着している場合、一度口をつけてから放置しているものは再度口をつける前に温水や消毒液で洗ってから使いましょう。
マウスピース部分が取り外せないべイプの場合は布に消毒液をつけて拭き取ってから乾燥させるのが良いです。
痛みや腫れがあればすぐに中止する
抜歯後2-3日経ってからの喫煙でも、痛みや腫れがある場合には喫煙はやめておきましょう。
痛みや腫れが長引くようであれば悩まずにすぐ歯科医に相談しましょう。
水分補給をする
水分補給により唾液の分泌を促すことができます。
唾液には抗菌作用や殺菌作用がありますので、しっかり唾液を出せるよう脱水状態にならないように気を付けてください。
特にべイプユーザーの場合、リキッドに含まれる植物性グリセリンやプロピレングリコールには脱水作用がありますので、より水分補給に気を遣う方がよいでしょう。
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